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ウルバン・ヤーゲンセンとの関わりについてお聞かせ下さい。

カリ・ヴティライネン: 当時、私は1996年にラ・ショー・ド・フォンの国際時計博物館で開催されたジラール・ペルゴ協賛のトゥールビヨン展示会に出展したトゥールビヨン懐中時計を完成させたばかりでした。この時計を見たピーター・ボームベルガーが購入を申し出たのですが、私は売りませんでした。しかし、それがきっかけで私は彼と仕事をするようになり、私たちのコラボレーションの始まりとなったのです。私は加工、組み立て、プロトタイピングやユニークピースの製作、メンテナンスサービスなど、あらゆる依頼に応じました。つまり彼は私が独立したばかりのころの最大の顧客だったのです。

また、2005年か2006年ごろ、デレク・プラットが製作中だったオーバル型の懐中時計を私の工房内で完成させました。当時、彼は体調を崩していたため、ピーターがこの懐中時計を私に完成させてもらってもいいかと彼に承諾を取り付けたのです。このムーブメントの完成には1年以上かかりました。デレクは着手していたものの、15年以上も留め置かれた状態だったのです。その時計はフライングトゥールビヨンとルモントワール機構、デテント脱進機を搭載していました。ピーターとは常に紳士協定でビジネスをしていました。契約書はなく、握手だけ成立していましたが、彼にとってはそれで十分だったのです。彼と一緒に仕事をするのはとても楽しいことでしたし、とても良い友人になりました。その後、彼が亡くなると状況が少し変わりました。

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