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IWC インヂュニア クロノメーター Ref. 3521 カタログから消え、忘れられかけた傑作

インヂュニア Ref. 3521は、ノーチラスやロイヤル オークと同世代のジェンタデザインの傑作モデルだ。では、なぜ格安で叩き売られているのだろう?

かつて時計は、ある種のこだわりを持ち、狭い範囲にしか興味のない超批判的な支持層を魅了する存在だった。依然そうであるものの、その層はさらに厚みを増し、もっと奇妙なことが起こっているのかもしれない。それは、時計に病的なまでに冒されていない人々にとっても魅力的に映っているということだ。

いずれにせよ、今時計について書こうと思えば、誰もがすべてを知っている前提では考えてはいけない。つまり、しばらく考えていなかったことについて考えてみると、それがまだおもしろいだけでなく、覚えているよりもさらにおもしろいことに気づくこともあるのだ。

IWCスーパーコピー インヂュニア オートマティック IW357001

カテゴリ IWC インヂュニア
型番 IW357001
機械 自動巻き
材質名 ステンレス
ブレス・ストラップ ストラップ
タイプ メンズ
カラー シルバー
ケースサイズ 40.0mm
機能 耐磁
デイト表示
2017年にフルモデルチェンジが行われた「インヂュニア オートマティック」。
時計デザインの巨匠、ジェラルド・ジェンタ氏によってデザインされ、これまでのインヂュニアの特徴でもあったベゼルに設けた5つのホールをあえて排して、1955年に発表された初代インヂュニアのフラットなポリッシュベゼルに変更されました。
前モデルと同様にムーブメントを軟鉄製インナーケースで保護することで非常に高い耐磁性能を備え、さらに防水性能も12気圧確保されていますのでオン・オフ問わず扱いやすいモデルです。
こちらは初代モデルを彷彿させるアリゲーターストラップ仕様のインヂュニアです。

IWCのRef.3521もそのひとつである。Ref.3521はインヂュニアシリーズの1モデルで、不謹慎な言い方をすれば、IWC版ミルガウス、つまりどちらも元々は強磁場からムーブメントを守るために作られた時計だ。ミルガウスとは1000ガウス(磁場の単位)を意味するが、IWCはこの時計が誰のために作られたかを示す名称を選んだ。“Ingenieur(インヂュニア)” 。つまり新生期のCERNや水力発電所、あるいはある時代には原子力発電所で働くエンジニアたちのための時計だ。そのような人々は、かつてないほど強力な磁場のすぐそばで働くからだ。

CERNとはOrganisation Européenne pour la Recherche Nucléaire(欧州原子核研究機構)の略称で、現在は大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の本拠地となっている。LHCは、人類がこれまでに作ったなかで最も大きく、最も強力な装置のひとつだが、そのことを知らない人が多いことに私はしばしば驚かされる(大規模な科学プロジェクトは、知識を追求するために膨大な資源を費やしても、すぐには役立たないという批判に直面することもあるが、私はそれこそがこの事業全体の美点だと考えている。そう、ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡のように)。

とにかく、初代インヂュニアは1955年に発表されたが、私にとって最も興味深いバージョンのひとつは、ある意味最も不条理なモデルでもある。それは長いあいだ忘れ去られていた、インヂュニア・オートマティック 500,000 A/m Ref.3508だ(A/mとはアンペア毎メートルのことで、磁場の強さを表す尺度だ)。直径32mmの小さな時計で、私が最後に見たのは少なくとも25年前、ニューヨークの23番街のフリーマーケットであったと記憶している。ニオブ・ジルコニウム合金のヒゲゼンマイの実用化は耐磁時計技術の決定打となったが、ヒゲゼンマイは製造が困難で、IWCは作れば作るほど赤字になったと聞いている(結局、ロレックスがニオブ合金製ヒゲゼンマイの量産化を確立し、それがブルー パラクロム・ヒゲゼンマイに結実した)。

私はサイズなど気にならないほどの純粋主義者を自認しているが、恥ずかしながら500,000A/mのサイズがあまりにも小さいことが気になり、買いそびれてしまっていた。25年前だが、提示価格は600ドルほどだったと思う。それに25年前の相場はこのモデルに限らず同じようなものだった気がする。そこでRef.3521の出番である。軟鉄製のダイヤルとインナーケースを採用することで実用レベルの耐磁性を確保しつつ、34mmという小ぶりなサイズによって、少なくとも現代人の感覚ではよりつけやすい時計に仕上がっている。


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