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これは映画のなかでその時計をどれだけ多く見ることになるかを示す、ちょっとした伏線だ。

映画の冒頭、ベイラーが珍しくデスクから離れ、洗面所にいる姿が映し出される。彼は吸入器を大きく吸い込み、鏡に映る自分を見つめる。ブルペンに戻って電話応対の続きと夜勤の終了に備えるためだ。彼が洗面台のノブを試しているとき[00:01:43]、カメラは彼のG-SHOCKの少しぼやけたクローズアップを映す。これは映画のなかでその時計をどれだけ多く見ることになるかを示す、ちょっとした伏線だ。

この映画は、プロットがよくわかるように説明したりしない。映画全体を見てわかるような作品だ。開始30分後、ベイラーがなぜ職務から外され、コールセンターに送られたのか、最初の手がかりが得られる。彼は自分の携帯にかかった電話を受け、翌朝に法廷審問に出ることを知らされる(その事件はここではまだ公表されていない。今日はネタバレなし)。そして、警官との電話へと続く。現在起こっていると思われる誘拐事件の容疑者の家に令状なしで立ち入らせようとする彼と、警官との緊迫した会話だ。警官に断られ、電話を切る。ベイラーは悔しそうに頭の汗を拭きながら[00:32:53]、特徴的なダブルバックルストラップがついた黒いG-SHOCKをちらりと見せる。このときから、彼は自分の手で問題を解決しなければならないことを悟るが、時間は(彼の時計で)刻々と過ぎていく。

『THE GUILTY/ギルティ』(主演:ジェイク・ギレンホール)は、アントワーン・フークア監督、ニック・ピゾラット脚本、アレクシス・ウェイドが小道具を担当した作品。Netflixで配信中。


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